Domaine Maby Cote du Rhone Variations Blanc 2011+Rouge 2011
今回はちょいと趣向を凝らした、とは言ってもある意味邪道?な楽しみ方。
ローヌの自然派ドメーヌの赤白。
完全有機栽培で、なんでも、あの、ロマネ、コン、ティ、と、同じ、農法だとか。
信じるか信じないかはあなた次第…。
いずれにしろ、そこまでこだわってつくられたワインが千円台ってのは世の中分からないもの。
両方買って同時に開ける。
まずは白から、グルナッシュ・ブラン70%、ピクプール30%.
淡いレモンイエロー、粘性はややある。
香りは、柑橘とはちみつ、メロン、ハーブ。
石灰、チョークを思わせるしっかりとしたミネラル。
硬質なミネラル感と、リッチな果実味とともに詰まった味わい。
後味に残るまろやかさに、14.5%というアルコール度数もうなずける、
和食に合いそう。
続いて赤。
グルナッシュ40%、ムールヴェードル35%、カリニャン20%、シラー5%。
若々しさ溢れる、紫おびたガーネット。
プルーンのような濃縮感溢れる香り。
フレッシュな果実感が強く、ピノを強力でややスパイシーにした感じ。
味わいは豊かな酸味とストレートな果実味を、コクがまろやかに包み込む感じ。
これもAlc.14.5%で余韻に相応の高いボリューム感と甘みも感じる。
脂の乗った豚肉、鶏肉とかに合いそう。
ここで私は考えたのだ。
せっかくの同じドメーヌ。
どちらもグルナッシュ主体で、度数も同じ。
こやつら、混ぜると危険…ではなく、美味しく変身するのではなかろうか。
てなわけで、白にちょびっと赤を混ぜてみた。
ほんのちょっとで、軽口の赤一歩手前くらいの、即席ロゼの出来上がり。
グラスをまわして呑んでみる…。
たららーたーらーららーたらーらららーらーらーらー
なんと言うことでしょう。
白ワインのフレッシュ感に、赤ワインがもたらす果実味とコクが見事にマッチし、
お互いの良い部分を引き出しつつ、美味しいロゼになったではありませんか。
濃さを調節しつつ、スーパーで買ってきた黒酢風味の酢豚とも相性ぴったり。
これはなかなかの発見だった。
二本で三度美味しい。
さらに、自分で濃さまで調整できる美味いロゼ。
1+1=3にも、4にもなる、そんな楽しみ方。
初めて言及するけども、筆者は未熟者ながらワイン販売の仕事に従事している。
すなわち、こやつらは週末に売るべく買って帰ったワインなのだ。
これは是非、接客販売で使えると思い、実際に試してみた。
結果はなかなか好評で、赤白セットで売ることができ、
次の週にはリピーターの方までいらっした。
こういう自由な発想で、新たな楽しみ方を提供するのも自分の仕事であるなと、改めて心得た。
生産者の思いとともにワインは瓶詰めされ、その間も熟成し、育っていくものではあるけれど、
それに対して、新たな価値を創造して上乗せすることが、
我々店頭販売に従事する者に与えられた使命であり、楽しみでもあるのだ。
なんだか熱くなってしまったが、
これもVINOだ。